ロドリゲスに敗れた元IBF王者バトラー「イノウエの大会になるだろう」
ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級1回戦を突破したWBA王者・井上尚弥(大橋)。来春に予定される準決勝は20日(日本時間21日)に米オーランドで行われるIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)対ジェイソン・マロニー(オーストラリア)の勝者と対戦する。ロドリゲスに敗れた元世界王者は井上にとって最大の強敵ロドリゲスについて「想像を超越するスペシャルなファイター」と称賛する一方で「井上相手に勝ち目はあるか? ノーだ」と断言している。
「ポール・バトラーが、なぜエマヌエル・ロドリゲスがWBSSバンタム級大会のダークホースなのか説明」と特集したのは、米スポーツ専門誌「スポルティング・ニュース」電子版だった。記事では元IBFバンタム級世界王者バトラー(英国)を直撃。ロドリゲスについて「彼はスペシャルなファイターだ。私の想像を遥かに超えていた」と語っている。
5月に当時同級3位だったロドリゲスとロンドンで対戦したが、バトラーは前日計量で体重超過で失格。そして、12回判定負けを喫し、ロドリゲスに王座を明け渡した。
「試合前に研究していたものはなんの意味もなかった。なぜなら、彼は一度もリスクを冒さなかった。試合を通じてパーフェクトだった。映像ではリスクを冒すスタイルだった。少しガードが空くので、左フックをカウンターで入れる計画を立てていた。一度もそのチャンスはなかった。それが全てを物語っていると思う」
WBSS初戦を突破したWBO世界王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)と15年3月に対戦し、プロ初黒星を喫していたバトラーはこう語り、試合前に発見したロドリゲスの隙は実際のリングで一切見せなかったと明かしたという。
「彼は本当に訓練されたファイターだ。ジャブの使い方は別格」とまで評価するが、難敵フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を70秒で戦慄のKO勝ちを収めた「The Monster」に対して勝機はあるのだろうか。
「どんな相手でもトラブルを起こせる実力が彼にはある。彼がイノウエを倒せると思うか? ノーだ」
ロドリゲスの強さを知る元世界王者はこう断言し、井上の勝利を予想したという。そして、WBSSに参戦中のチャンピオンの格付けを行った。
「それでも、彼は今まで(イノウエが)経験したことがないものを見せると思うよ。彼はライアン・バーネットも倒せる。何故なら強いからだ。バーネットはトップファイターだが、ロドリゲスは全てにおいて少しばかり凌駕している。テテ対ロドリゲスはジャブの打ち合いがまさにチェスの試合となるだろう。ロドリゲスのジャブの方が間違いなく上だが、テテのサウスポースタイルは対応が難しい」
ロドリゲスはWBAスーパー王者のバーネット(英国)より実力上位で、テテとは互角と分析。主役は井上だ。「イノウエの大会になるだろう。でも、もし少しでも衝撃を与え、優勝を阻む人間がいるとすれば、ロドリゲスになるんじゃないか」とバトラーは話したといい、大本命は井上とした上でダークホースはロドリゲスになると見ていた。
20日のロドリゲス―マロニーの一戦は井上もロドリゲスの勝ち上がりを予想し、すでに視察のために渡米している。果たして、V大本命の前でどんな戦いを見せるのか。注目の一戦となりそうだ。(THE ANSWER編集部)
(出典 news.nicovideo.jp)
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