LINEを始めとしたコミュニケーションツールが発達し、今やほとんどの人がスマホを持つ時代になりました。
客も部下も、若者は電話に出ない…
賃貸物件を扱う不動産会社で働いている岡村昇さん(33歳・仮名)は、電話に出ない若者に心底困り気味です。「主に20代のお客さんなのですが、電話に出てくれないんです…」
お客さんにもそれぞれの都合があるでしょうし、電話に出られない場合もあるかと思いますが、どうやら込み入った事情があるようです。
「我々の業界は今が繁忙期で、人気のある賃貸物件はすぐに埋まってしまいます。この前、20代前半の男性のお客が来店し、ある物件を内見したところ『少し考えたい』と言ってきました。すると次の日、同じ物件に別の人から問い合わせが来て。
そこで迷われている彼に今の状況を伝えたいと電話をするのですが、出ない。仕方なくメールをしますが、こちらは何人ものお客さんを相手にしているので、いちいちメールでやり取りするのが煩わしいのが本音。『問い合わせとのことですが、決まりそうなんですか?』とか返信が来ると、『電話で言えば簡単なのに。ああ、面倒くさい!』となります」
「メールだとニュアンスが伝わりづらい」
また大野さんは、電話に出ない24歳の部下にも思うことがあるそう。「新卒でうちに入ってきた男の子がいるのですが、彼も電話に出てくれない。電話をすると留守電に切り替わり、その数分後に『電話、なんですか?』とLINEがくる。
まだ連絡があるだけマシなのですが、契約についての確認など、少々込み入った話の際はメールよりも電話のほうが圧倒的に手間が省けます。
メールだとニュアンスが伝わりづらく、二度手間になる可能性もある。できれば電話に出てほしいですね」
ホリエモンに感化されすぎ?
都内の出版社で働く前野寛さん(20代・仮名)も、同世代の若者に対して不満の声を挙げます。「僕の仕事はフリーランスの人と関わる機会が多いのですが、仕事相手の20代の男性は、急用で電話してもほぼ100%の確率で出ない。仕方なくメールをしても返信が遅く、正直、仕事になりません。それが何度もあり、仕事を頼むことも減りましたが」
前野さんは、ホリエモンこと堀江貴文さんや、幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんをはじめ、電話を否定的に捉える著名人も少なくなく、彼らの主張に感化される若い人が多いのかもしれないと話します。
「ネットなどを見ると『電話は相手の時間を奪うツール』と、堀江さんたちの意見をさも自分の考えかのように言う若者も多く、僕の友人にも「電話とかまじムダ」と話す人もいて。正直『お前らレベルが何言ってんの?』とは思います。
たかだが数分の電話時間を奪われなかったとして、『その時間であなたは何を生み出せるのか?』って聞きたいですね。新時代のトップを走る方々の主張だけマネしてもねぇ…。堀江さんたちは、おそらくメールやLINEの返信は早いでしょうし」
実は前野さんも、最近の若者と同じく「電話はあまり好きではないですよ」と話します。
「それは僕だって、しなくてすむならメールなどのツールで済ませたいです。ですが、電話に出てくれない人って、かなりの割合でメールへの返信も遅いから仕方なく電話をする。で、出ない。そうなると、もうどうしようもない。一丁前な主張をするなら、せめてどちらかは常に連絡を取れるようにしてほしいです」
電話は煩わしいだけ
(出典 news.nicovideo.jp)
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